50%の確率で東大合格になるガチャ

小学校から高校までの金額を足してみましょう。小学校が300万円、中学校が500万円、高校が580万円でしたから、300+500+580=1380万円。いわゆる東大エリートコースを歩みたいのであれば、これだけのお金と9年間の月日がかかります。

この試算はかなり塾に頼る想定で組んでいるので、依存度を減らすなら、もう100万〜200万程度は少なくできるかもしれません。

布施川天馬『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社新書)
布施川天馬『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社新書)

逆に、小学校4年生時点でアドバンテージを得るために、幼少期から知能トレーニングや英会話塾などに通わせると想定すると、プラス600〜700万円はかかるでしょう。そう考えると、子どもの才能に頼らずに、すべて課金だけでどうにかするなら、2000万円ほどかかるといえるかもしれません。

徐々に投資額が大きくなっていることから単純に比較はできませんが、1380万円を9年で割ると年間150万円と少し。月当たりでいえば、約13万円ほど。確かに、安い金額ではありません。ですが、このコースを歩んでいけば、お子さんは決して低くない確率で、東京大学の門戸をたたくことができます。

言ってみれば、東京大学に行けるチケットが入ったガチャがあったとして、1380万円あったら、それが1回回せるのです。鉄緑会の東大合格率は、一説によると50%ほど。鉄緑会にさえ入れてしまえば、50%の確率であなたのお子様は東京大学に合格すると考えられます。

もちろん、1等が東京大学というだけであって、当たらなかったとしても、高い確率で早稲田大学や慶應義塾大学に合格するのは間違いありません。高確率で高学歴の子どもができる、悪魔のガチャです。

【関連記事】
東大合格者数42年間1位の開成に"深海魚"はいない…入学初の中間試験で「43人中42位」でも全然平気な仕組み
「かつては東大卒よりも価値があった」47都道府県に必ずある"超名門"公立高校の全一覧
子供を伸ばしたいなら「寝坊で遅刻しそう」でも起こしてはいけない…現役東大生が説く「よく学ぶ子」の育て方
遊びたい盛り、中学受験に時間とお金を投入する価値はどれほどか…経済学が明かす「中学受験の効果」
学部長は「タイガースの負けです」と語った…受験戦争の全盛期に勃発した"東大・京大ダブル受験"の熾烈な戦い