子供の心に刺さる「答え」をすべての親が考えてほしい
【3:「無気力系タイプ」へのアプローチ法】
最後は「無気力組」とも言える「勉強=めんどい」タイプに対するアプローチである。
1960年代後半にNHKで「ひょっこりひょうたん島」という人形劇が放映されていた。その劇中歌に「勉強なさい」というものがあった。
半世紀も前の歌だが「勉強は何のためにするのか?」という根源的テーマに作詞者の井上ひさしさんが明確に答えているものである。歌の中で子供たちは先生にこう言う。
「『勉強しなさい』と大人は子供に命令する。偉くなるため、金持ちになるため……」
大人からの勉強命令に対し、子供たちは反発しているのだが、それに対して先生が勉強は損得勘定でするものではなく「人間になるためにする」と子供たちを諭す歌詞となっている。
要するに、「勉強=めんどうくさい」とする子供に「人間になるために勉強しろ」と言っているのである。
「無気力のままで過ごすと人間になれない」という説をどう思うか? という親の問いかけに、子供はやはり「無視」を決め込むかもしれないが、この根源的問いを親こそが自分なりに考え、わが子に伝えることも、また大切なことだと思う。
ところで、筆者自身はこの問い(なぜ勉強をしなければならないのか?)に対する答えを探しているところだが、今のところこう思っている。
「“大人”をきちんと楽しめる大人になるため」
もっと子供の心に刺さる、問いの根幹を言い当てる言葉があるような気もする。読者の方はこの問いにどう答えるか、大いに興味が湧くところである。