いい医師ダメな医師をどう見分ければいいのか。消化器内科医の石黒智也さんは過敏性腸症候群の患者を念頭に「医者から『取りあえず、こちらで様子を見てください』と言われて受診終了となった経験があるかもしれませんが、治したいという熱量の高い医者はもっと違う言い方をするはずです」という――。

※本稿は、石黒智也『消化器内科の名医が本音で診断 「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(双葉社、鳥居りんこ 取材・文)の一部を再編集したものです。

錠剤を持つ医師
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医者の熱意を推し量る「次回の約束」

「患者さんを治したい」

医者たるもの、誰しもが持っていなければならない思いでしょう。できることならば、そうした意欲が感じられる先生に診てもらいたいですよね。実は、医者の熱意を推し量れる言葉があります。

「では、次は○月×日頃にいらしてください」

このように、次回の受診日を告げてくれる医者は、いいドクターだと思います。皆さんは医者から「取りあえず、こちらで様子を見てください」と言われて受診終了となった経験がないでしょうか。

本当に様子見でOKなケースは別ですが、お腹の悩み、特に過敏性腸症候群のような病は、なかなかそうはいかない。様子を見た結果、「どうしたらいいんだ?」ってだいたい皆さん途方に暮れてしまうんですけど、言えないですよね、そんなこと(笑)。

お腹のトラブルは、1、2回の診察で完治するほど簡単な病気ではないことが多いんです。つまり、長期戦になる可能性が高い。過敏性腸症候群でも、薬を飲むくらいひどい人は、服用を継続することで症状をしっかり抑えていく必要があるんですね。

それには、ある程度の期間の通院が必要になります。基本的には状況に応じて、いろいろ薬を試しながら治療していきたいんです。

僕の場合ですと、初診時には、次回の来院を2週間後に指定することが多いです。新しい薬の効果を見るには1週間後では短すぎ、1カ月後だと長すぎるから。「薬は2週間続けることに意味がある」のです。