空気を読めない人の「4つの特徴」
一方「忖度できない人」は、親や教師、学校の先輩との間に上下関係をあまり意識せずに育った人に多く見られます。気を使う場がなかったために、相手がこれを望んでいるだろうと想像力を働かせたり、指示されたことをやるなら同時にこれもやっておいたほうがいい、と広げて考えたりすることができません。
近年は「忖度できない人」のなかに、「謙虚すぎる人」も増えています。このタイプは「自己主張するのは見苦しいこと」「怒られたり失敗したりするかもしれないから、余計なことはしないほうがいい」と考えてしまう傾向があります。上司が期待していても、それを忖度して動くということがありません。自発的には動かず多数派に同調し、上司の指示にも黙って従います。
あなたが「忖度しすぎる人」「忖度できない人」なら、やりとりはメールを避けて直接行い、相手の反応を注視しましょう。仕事では勝手に判断せず、上司への報告や相談はこまめにして、確認をとります。
あなたが上司の立場なら、部下が相談しやすい空気をつくり、まめに声をかけることも必要です。その際、「忖度しすぎる人」には、「いろんなことにすぐ気づいてくれて助かっている。ただ、勘違いがあると困るから、その都度報告や相談をしてほしい」と、「忖度できない人」には、やってほしいことを具体的に伝えます。「忖度できない謙虚な人」には、「慎重なのはいいが、君のよさをもっと伸ばすため、減点法は取らないから、失敗を恐れずチャレンジしよう」と伝えて安心させましょう。
空気を読みすぎる人4つの特徴
1:上下関係のあるところで育った
2:認められたいという意識が強い
3:戦略的
4:報告・連絡・相談が少ない
空気を読めない人4つの特徴
1:上下関係のないところで育った
2:ほめられて育った
3:洞察力がない(想像力が働かない)
4:報告・連絡・相談はメールが多い
※取材をもとに編集部作成。
MP人間科学研究所代表
心理学博士。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て現職。『なぜ、その「謙虚さ」は上司に通じないのか?』、『「忖度」の構造』ほか著書多数。