森友問題、文春のスクープで再び脚光

森友学園問題が再燃している。契機は2020年3月19日に発売された『週刊文春』(3月26日号)掲載の「森友自殺<財務省>職員遺書全文公開」記事。NHKを退職し、森友学園問題を追うべく大阪日日新聞の記者になった相澤冬樹氏のスクープだ。

森友学園への国有地売却時に作成された財務省の決裁文書。本省からの指示で文書改竄を迫られた近畿財務局の職員・赤木俊夫氏(享年54)が、本人の意に反した改竄を強要され、連日の激務の末にストレスで心身を病み、命を絶つに至った。赤木氏がその改竄の詳細な経緯を書き残していたのだ。

日本の財務省
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翌週には森友学園との国有地取引の交渉に当たった近畿財務局の池田靖統括国有財産管理官(当時)が、赤木氏の妻に「8億円値引きの根拠は明確ではない」と話していたことも報じられた。

森友問題が噴出した17年当時、筆者が取材した若手財務官僚は、国有地取引に関してこう語っていた。

「国有地は国民の財産だし、私たちは法に基づいて職務に当たることに誇りを持っている。それが法治国家の官僚の本分。だから、法に外れてまで国有地を安く売却することはありえない」

だが決裁文書改竄は、その誇りを大きく失わせるものになった。赤木氏の葛藤を思うと胸が痛む。