子供の性格(タイプ)によって選ぶべき塾は全く異なる

塾選びは、何を基準にすればいいのだろう。

進学実績? 利便性? 自宅からの距離? 塾代? こうした条件はもちろん大切だが、吉本さんが考慮に加えてほしいと話すのが、「子供の性格(タイプ)」である。

「タイプの違いによって、塾の長所が短所にもなるし逆に短所が長所にも変わるのです」

吉本さんはれまでの指導経験から、子供は大きく3タイプに分けることができるという。

(1)もっとも子供らしく元気な『わんぱくタイプ』
(2)親の言いつけをよく守り、努力家の『しっかりタイプ』
(3)優しくて競争が苦手な『おっとりタイプ』

▼自分の子供のタイプをしっかり見極めよう
【1:わんぱくタイプ】

たとえば「わんぱくタイプ」は、面倒くさがり屋で地道な計算や漢字練習が大嫌いな傾向があるという。テストの点が悪くても、先生から叱られてもあまり気にせず、本人は楽天的に「なんとかなる」と思っている。親がもっとも苦労するタイプで、男の子に多いという。

「この子は、自分は勉強が得意だと思うとスイッチが入ります。そのために親がきちんと塾のカリキュラムを把握し、事前に体験させておくといい。『知っている!』『自分は授業の内容がよくわかる』という感覚を持つことが大事なのです。それには、カリキュラムがしっかりしていて、事前にやることがわかる塾がいいでしょう」

*「わんぱくタイプ」の子は事前にカリキュラムがわかる塾が向いている。各タイプの詳細な解説は『プレジデントムック 塾 習い事選び大百科 2018完全保存版』に記載されている。イラスト=浜野史子(以下、同)。
【2:しっかりタイプ】

「しっかりタイプ」は、精神的に大人で、自分で決めた勉強をコツコツと地道に重ねていけるので一般的に成績がいい。親は安心して見ていられるタイプで、女の子に多いという。

「人からどう見られるかという社会的評価をとても気にするので、親や先生の言いつけをよく守ります。そして上昇志向が強く、負けず嫌いなので、競争でもっとも伸びます。ただし、本人の実力より学力の高い子が多くいる塾に入れると、結果が出ず、つらい思いをさせることになります。本人が上位の成績を取れる塾に入れることが大切です」

【3:おっとりタイプ】

「おっとりタイプ」は、人の気持ちに敏感で競争が苦手。勉強はまじめにやるが、競争の場面で力を発揮できない子が多い。焦ると思考停止になってしまうタイプだという。

「この子は、自分の好きなことが見つかると、ようやく伸びる遅咲きタイプ。中学受験の段階では競争に向かう強さがまだ育っていません。だから、競争をあおるような大手の進学塾ではつぶれてしまいます。この子には、一人ひとりの子を丁寧に見てくれるアットホームな小規模塾が向いています。そこで安心して自分を出せるようになると、伸びていきます」