会議でベラベラしゃべっている社長もダメ

普通の会社は、会議を行うとき、社長から話し始めます。ところが社長は現場に出ていないため、お客様の情報も、ライバルの情報も持っていません。そうして現場を知らない社長がトンチンカンな指示を出している以上、いつまでも業績は上がりません。

武蔵野も赤字のときは、社長の私が一番に話を切り出していましたが、16年連続増収企業となっている今では、「現場のことがわかっている社員」、つまり職責下位から発言するしくみとなっています。

せっかく良い情報を持っていても、立場上、あるいは性格上、発言しない人がいては組織の損失となります。

そのため武蔵野では会議で発表があるときは、上司の意見に迎合することがないように職責下位から順に発言するようにしたのです。

会議は、話し合いをする場ではなく、決定を伝える場

私は経営計画書に「情報マネジメントに関する方針」を定めています。そこで経営判断に必要なお客様の情報を吸い上げ、正しい決定を行うために、「5つの情報」を共通化し、進捗会議などで活用しています。

【5つの情報】
1、実績報告(数字)
2、お客様からの声(褒められたことやクレーム)
3、ライバル情報
4、本部・ビジネスパートナー情報
5、自分・スタッフの考え

会議は、1から5の順番で報告します。マーケットにはお客様とライバルしかいませんので、自分の意見は最後でいいのです。

なお当社では、「お客様からの声」と「ライバル情報」に関する報告は、「A4サイズの用紙1枚に2行以内」と決めています。お客様の声はカギカッコを使うのがルール。これは報告書を何枚も書かせると、都合の良いことを書いたり、作文をするからです。

2行以内であれば、「いつ、どこで、誰が、何をしたのか」という客観的な事実だけしか書けません。

そうして社員が報告する間、社長である私は、1時間半から2時間、ずっと話を聞いています。自分で話をしている限り、大切な情報は入ってきませんから。

そして全員の報告を聞き終えたら、「これは追加販売しろ」「これはやめろ」「社員2人を業績が上がっている部署に異動」と決定を下します。これなら現場の事実に基づいた方針を決められるので、マーケットの変化に素早く正しく対応できます。

このように現場の情報を吸い上げ、それを元にした「社長の決定をいち早く伝えるため」にあるのが会議。にもかかわらず、会議を「ベラベラと話し合いをする場」にしているのがダメな社長に見られる傾向です。

小山 昇(こやま・のぼる)
武蔵野社長 1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー(現在の武蔵野)に入社。一時期、独立して自身の会社を経営していたが、1987年に武蔵野に復帰。1989年より社長に就任し、現在に至る。主な著書に「社長の決定シリーズ」の『経営計画は1冊の手帳にまとめなさい』『右肩下がりの時代にわが社だけ「右肩上がり」を達成する方法』(すべてKADOKAWA)などがある。
(写真=iStock.com)
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