せっかく起業しても会社を潰す人の特徴
脱サラや定年退職後に自営業者になり、蕎麦店やラーメン店、カフェや居酒屋などを開業する話をよく耳にする。だがその多くは経営がうまくいかず、閉店に追い込まれる。彼らは先達に弟子入りし、あるいは専門学校に通って蕎麦の打ち方や旨いそばつゆやスープの作り方などの調理方法を学び、そして開業すれば顧客は自然にやって来ると思い込んでいる。この考え方こそ、事業が立ち行かなくなる最大の原因だ。
こうした例は飲食業に限らない。「士(さむらい)」ビジネスと呼ばれる弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、開業医や歯科医師といった難易度の高い国家資格を取得した専門家、コンサルタント、デザイナー、コピーライター、文筆業など専門的な知識と能力を持つ第三次産業のサービス業に属する人たちの中にも、「座して待っていれば、顧客は何もしなくても向こうからやって来てくれる」と思い込んでいる人がけっこういる。
自意識やプライドが高い人が多い「士(さむらい)」ビジネスを営む人の中には、「口が裂けても、顧問先になってくださいとは頭を下げられない」と自ら認める残念なタイプがかなり存在する。
自身で顧客を見つけるセールス活動や販売行為を経験したことのないマーケッターやクリエイターは、効果の高い「販売促進策」や「集客策」をひねり出し、具体策を展開することは難しい。机上論だけでは顧客の心はつかめないからだ。身体を使わないネットを利用した顧客開拓の取り組みでも、この点は共通している。
いい商品があれば大丈夫、の発想を捨てろ
いくら専門性を磨いても、誰も自社の存在を知らなければ顧客は生まれず、商品も売れてはいかない。商品の製造は行うが、自社で直接販売することなく問屋や代理店任せにしているメーカーには、「いい製品さえつくれば、顧客は買ってくれる」と思い込んでいる企業がかなりある。この発想では新規顧客は生まれない。
専門性を磨き、商品力を高めることは重要だが、それ以上に欠かせないのが、顧客を見つける顧客開拓力(営業力)だ。座して顧客を待つのでなく、自ら顧客開拓を行うにはどうすればよいか。その具体的手順を追ってみよう。