ホテルは、わが家以上に快適であってほしい
余暇の旅行、そしてやはり出張においても、休息の場であるホテルは大切である。元来ホテルには「旅先のわが家」という機能がある。とくに住宅事情がとてもよいアメリカではその概念が強い。よその土地でもわが家と同等か、それ以上の快適性を担保するということである。
住宅事情の悪い日本においては、そこにハレとしての非日常性もほしいところだ。旅先のわが家(休息の場)+αがあれば、よりよい休息に加え、仕事への活力もわいてくるもの。そう、ホテルには自宅以上の快適さとある種のワクワク感がほしい。
3拍子そろったホテルは、そう多くない
ホテルにとって何が重要なのかという話になると、日本では、おもてなしとか、ホスピタリティとか、人の要素がまずは挙げられる。しかし、それは一定の機能(=前提)を達成した上でのこと、と僕は思う。一定の機能とは何か。
旅先で寝泊まりするのであるから、まずは一番大切なのは安全性である。次に清潔であること。そして、静かなことだ。この3つが保証されていないと、非常に困る。しかしながら、これらをきちんと提供してくれるホテルの何と少ないことか。
その上で、客室の一定の広さはほしいところだ。業界でホテルを語るときに、客室○○平米といった面積が話題となる。ただ、広さだけではなく天井高も大事だ。天井が高いと圧迫感が軽減され、部屋がより広く感じる。つまり「容積」が重要だ。
最高級、高級クラスのホテルとなると、面積も広く天井も高い、実にゆったりとした客室が用意される(こうしたクラスのホテルでも、天井の低いところはあるが)。天井の高さだけは、改装(リニューアル)してもどうにもならない。ホテルを選ぶに際し、考えたいポイントだ。
余談だが、客室容積当たりの単価(価格)を比べてみると、客室料金の高い東京などでは、安価なホテルと高級なホテルとで、その差は意外なほど小さい。
さて、とくに高級クラス以上のホテルにとって、ハード面(設備面、機能面)はとりわけ重要だ。順にポイントを見ていこう。