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有料セミナーには、優良な顧客が集まりやすい

ステップ3、リアルの顧客開拓

3-1、講演による顧客開拓

経済団体や他業界の企業から講演を依頼されるといった、講演を活用したB2Bの顧客開拓方法だ。自社が持つ有益な情報を紹介すれば、参加者の注目度は高まり、仕事の相談や依頼につながるほか、自社の知名度向上にも貢献する。自慢話や上から目線の語りではなく、聞き手の役に立つ成功事例と、そこに至るまでの苦労話や失敗談で講演を構成するといいだろう。

同業者が集まる席での講演は、あまりおすすめしない。安易に模倣する企業も存在するからだ。また入場無料の講演もおすすめしない。入場無料の講演は、聴衆の質が下がる。有料で価値ある講演には、質の高い聴衆が集まる。

3-2、セミナー・研修による顧客開拓

企業向け研修機関や教育機関が手掛けるセミナーや研修も、B2Bの顧客開拓につながる。宣伝行為は嫌われるから、自社が持つ有益なノウハウや方法論を紹介し、受講者に参加してよかったと思えるように取り組む。

ここで気に入ってもらえば、企業から研修の依頼が来る。有益な情報を出し惜しみせず提供する企業と人に、顧客は吸い寄せられる。

3-3、展示会出展による顧客開拓

B2B企業や生産財メーカーなどが新規顧客を開拓するため、自社に関連する展示会に出展し、自分たちの技術力やシステムを紹介する方法だ。展示会にただ出展するのでなく、自社の技術を誰にもわかりやすく解説する「技術を見える化」手法を開発して注目度を高めたい。また来場者の名刺を入手するために、記念品や価値ある情報誌を配布するといった工夫も必要だ。

3-4、既存顧客からの新規顧客の紹介

既存顧客の評価や信頼を獲得し、新たな顧客を紹介してもらう方法だ。単に取引があるだけでは新規顧客を紹介してはもらえない。自社にロイヤリティ(忠誠心)を持っている取引先なら、新規顧客を紹介してもらえる。紹介する価値やメリットを生み出すことが、必須条件になる。

3-5、自主的な顧客開拓

自社の顧客になってもらえそうな企業や個人を調べ、自社をアピールする資料を送付し、その上で訪問するのが足を使った新規顧客開拓だ。

一部の事務機器商社やメーカー、証券会社、銀行などは相手のことを一切調べずに「飛び込み営業」をさせる企業がある。この方法では担当者の苦労が多いわりに成約率が低く、訪問先への企業イメージも悪くなる。

訪問するなら、徹底的に相手企業を調べて分析し、先方にメリットのある提案を持っていけば、成約に繋げることができる。

行動を起こさない限り、何も変わらない

「いかに顧客にメリットがある提案ができるか」「既存顧客から多くの評価や信頼を獲得し、自社の評判がクチコミを通じて広がり、新規顧客からの問い合わせや新規利用が生まれるか」「何度失敗しても、新規顧客開拓を諦めずに継続するか」。こうした取り組みの度合いによって、事業の継続性は決まる。

楽して、新規顧客は生まれない。まして座しているだけでは、顧客は絶対に生まれない。行動を起こしてはじめて、新規顧客はあなたのまえに現れる。

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