▼資料作りのNG行動(2)デザインにこだわる
資料の見た目がキレイだと、なんとなく「デキる人の資料」のような印象を受けますが、ちょっと読めば、そのメッキははがれてしまいます。
繰り返しになりますが、資料の本質は「こちらが伝えたいことが、きちんと伝わるかどうか」です。
グラフをきれいにする、色使いをきれいにする、インパクトのあるチャートにするなどといった資料の見た目をキレイにする作業は、最後の最後、「残った時間」でやればいいのます。見た目にこだわる作業は、キリがありません。「残りの時間で手をつけて、資料の納期が来たらやめよう」くらいの位置づけが適当です。
とは言っても、簡単に見た目をキレイにする方法もあります。例えば、マトリクスの表は、罫線(けいせん)の引き方と色使いをちょっと変えるだけで見た目がずいぶんと変わります。これは簡単なので、ぜひ一度やってみてください。
図1のように、罫線とフォント、色を少しだけ工夫すれば、何の工夫もない罫線を引いただけのものより見やすくきれいなマトリクスになります。この作業は、大して時間もかかりません。少しの時間で効果が出るので便利です。
▼資料作りのNG行動(3)箇条書きでツラツラと書く
ビジネススキルの本に「文章は短いほうがいい」という文言があふれているせいでしょうか? 箇条書きを多用している人も多いようです。
ですが、全体の構成や論理を考えず、ひたすら箇条書きが連なっていく資料はわかりにくいです。事実をていねいに正確に書き連ねていても、相手に伝わる資料にはなりません。それは議事録です。
相手に伝わる資料で重要なのは、「何を誰に伝えるか」を念頭に置いて、「論理的に整理して組み立てていくこと」です。相手の顔を思い浮かべ、その相手にきちんと伝わる順序(論理)で書かれていなければいけません。
このとき、伝える内容と順序を決めるときに便利なツールがあります。それが「ピラミッド構造」です。(図2)
ピラミッド構造のタテ軸は、
・「Why So?(○○すべきです。なぜなら~)」(上から下)
・「So what?(~なので、○○すべきです)」(下から上)
の2つを表現しています。
ピラミッドの上に行くほど抽象的で、下に行くほど具体的になるとも言えます。
一方、ヨコの方向には同じ「階層レベル」の情報を並べていきます。
例えば、「関西」の話が出たならば、それと同列のヨコには「関東」や「九州」があり、そして、「関東」をタテに深掘りすると「東京」「神奈川」があるというイメージです。
このようなピラミッドを意識すると、自分が伝えたいことの「全体像」を捉えた上で資料を作成できるようになります。