数字を徹底的に検証すれば差をつけられる

そしていくつか仮説を考えます。これは曜日の影響なのか、天気・気温の影響なのか、季節要因の影響なのか。そうするとこの直近の曜日のトレンドがどうなっているか、天気や気候と相関関係があるのか、季節要因であれば、去年の同日はどうだったのか、と見ていきます。

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分母であるサイト来訪者の中に購買とは直接関係のないお客様が増えたのかもしれません、その場合は、何か昨日新しい集客施策をやったのか? であれば、確かに違う層のお客様が来たのかもしれない。

もしくは、サイトに何か問題があったのか? あるいは、昨日新機能をリリースしていないか? などを見ます。お客様センターに何かヒントの声がないか? などなど。

もしこの中に該当する原因がありそうであれば、探掘りしてその対策を打ちます。それでも見当たらなかった場合に、ようやく明日まで様子を見てみよう、となります。多少の濃淡はあると思いますが、こうしたことが毎朝、全事業で行われるのが楽天です。

当たり前のようですが、このような検証がここまで徹底してできている企業はそんなにないというのが私が楽天を出てからの印象で、楽天が成長し続けている要因の1つです。

逆にいうと、数字をここまで徹底して見て、検証するようにしていけば、周囲と大きな差をつけられるということでもあります。

上司から与えられた「数字」をどう捉えるか

そして当然、数字には達成すべき目標があります。

多くの会社は毎月、毎四半期、毎年の目標が設定されていると思います。基本的には、会社全体の年間の予算が決まっていて、それが、毎四半期、毎月に振り分けられます。

その予算が分解されて、各部署、各チーム、そして、個人の目標が設定されています。まだ皆さんが部署やチームを持たない担当者レベルであれば、上司からその数字目標が下りてきているでしょう。

皆さんが、もしご自身のチームやグループ、そして部署の責任者であれば、その与えられた数字の意味合いをしっかりとご自身で理解されていると思います。

楽天時代に約1年間、国際部に加えて事業統括部という部署を兼務していました。事業統括部のミッションは、会社全体の予算策定とその後の進捗管理、また各事業の課題の解を各部署に入ってハンズオン(現場に関与して)でサポートする、というものでした。