手のひらの一点を何も考えずに5分間見つめる

イメージしたことを潜在意識にインプットすることも重要なトレーニングです。何かの状況や、将来の目標などをまるで体験したかのようにイメージすることで、脳は、実際に体験したこととイメージしたことを同じ情報として処理します。過去の「うまくいかなかった」体験を、イメージによって「こうやったらうまくいった」体験に置き換えることも可能です。スポーツ選手はこのイメージトレーニングを苦手場面を克服するのに役立てています。

集中力に欠け、やる気のなさを嘆く人も多いでしょう。集中力がないのではなく、出せない状態になっているのです。集中状態は潜在意識がつくり出すもので、面白いと思えば自然に集中し、やる気も出ます。しかし、意識して集中しなければと無理を繰り返すと、「集中できない自分」という回路が頭の中にできてしまいます。「集中できる自分」への切り替えが必要で、そのスイッチになるのがリズム呼吸です。

まず手のひらの一点を、何も考えずに5分間、リズム呼吸でじっと見つめます。途中でいやになって投げ出すはずです。そこで「集中できないからダメ!」と自分を否定せず、「集中していないな」と認めればいいのです。ここがトレーニングの大事なところです。5分間のトレーニングを1週間やってみてください。リズム呼吸が、集中していない自分から潜在意識の「集中する自分」に切り替わり、自信がわき、悩みから解放してくれます。

▼集中力をつけるトレーニング

手のひらの一点を5分間リズム呼吸をしながら見つめる(途中で投げ出さず、1週間ほど続ける)

岡本正善(メンタルトレーナー)
1965年生まれ。東海大学卒業。能力開発研究所を経て、メンタルトレーナーとして独立。プロのスポーツ選手の指導のみならず、企業での指導や講演会など多忙を極めている。著書は『逆境を生き抜く「打たれ強さ」の秘密』『「ここ一番」に強くなる方法』など約30冊にのぼる。
 
(構成=吉田茂人 撮影=小川 聡)
関連記事
"ゆとり世代"のやる気スイッチの見つけ方
デキる人かを見分けるたった1つの質問
"意識高い系"をバカにしてきた50代の末路
自ら机に向かう子の親が欠かさない習慣
米国の超エリートが書く"人生日誌"の中身