文章は1行。フォントは18ポイント以上で
伝わりやすい文章の極意はズバリ、「文が短いこと」です。長い文章をヒトの頭脳は処理しきれません。じっくり本で読むならともかく、プレゼンテーションの場ならなおさらです。その文章を載せたスライドは、一瞬で目の前を通り過ぎていきます。当時のBCG東京にはプレゼンテーション資料において、暗黙のルールがひとつありました。それは「文章は1 行で、フォントは18ポイント以上」というものです。当時のプレゼンテーション資料はA4縦だったので、余白を考えると、1行には全角で22文字しか入りません。そして、1文は2行にわたってはいけないので、31音の短歌は漢字・仮名まじりでギリギリです。
今はA4横なのでもう少し余裕がありますが、それでも「1文30文字前後」を目指しましょう。そのためには、フォントを大きくすることです。使用フォントを大きくすることで、自動的に文章は短くなります。パワーポイントだったらヘッドライン24ポイント以上、本文18ポイント以上が最低限の目標です。MSワードなら11ポイント以上に設定しましょう。もちろん余白は通常設定で。ビジネス文章は大部分が横書きですから、こうすることでA4用紙だと、横1行が38文字になります。五・七・五・七・七の短歌が、(仮名で書けば)各句間のスペースも含めれば35文字分ですからちょうど同じくらいですね。1文は、可能な限りこの1行に収めましょう。
この「フォント縛り」は本当に強力で、伝える表現を簡潔にするだけでなく、ヒトに論理的な思考を強制します。フォントを大きく、そして1行に収まる文章に! これこそ伝えるプレゼンテーション資料作成のための、「大リーグボール養成ギプス」です。