なぜ、彼女の“脅し”に完全に屈したのか?
そもそも彼女の目的は何だったのでしょうか? 私と竣太さんは改めて冷静に考えました。
「警察への被害届」「両親への密告」「職場への通告」はあくまで目的を達成するための手段に過ぎません。唯一の目的は「彼との復縁」です。もし、竣太さんが復縁に応じなければ、「元彼」の親戚関係や仕事関係がどうなろうが知ったことではないので、前述の復讐を本当に実行するぞ、とすごんで見せているのでしょう。
本当に実行するか否かは、わかりません。また、実行したとき、親や会社が竣太さんをとがめるかどうかも定かではありません。両親も人事部も上司も、「今回は大変だったな」と一笑に付す可能性もあるでしょう。
果たして竣太さんはどのような結論を出したのか。
最後は相談者本人の判断です。後日、その判断を聞いて私は驚きました。結局、彼は……。(1)既読スルーをやめて、(2)彼女に謝罪の返事をし、(3)交際を再開することにしたそうです。
彼女の“脅し(作戦)”に完全に屈したのです。
▼まさかまさか、猟奇的な彼女と復縁するとは
言うまでもありませんが、独身男性には交際の自由が認められており、どんな女性と付き合ってもいいはずです。にもかかわらず、「猟奇的」と竣太さんが感じていたはずの彼女を選ぶことになるなんて。今後も何かあれば、彼女に罵詈雑言を浴びせられ、振り回され、付きまとわれ、悩まされ続けることは想像に難くありません。
竣太さんにとっての最高のシナリオは、彼女がLINEに無反応な男に愛想を尽かして別れを切り出してくれることだったのかもしれません。ところが、彼女の執念深さは尋常ではありませんでした。別れようと思っていた相手と付き合いを続けなければならない心境とはどんなものでしょうか。同じ男性としては、つい同情してしまいます。
しかし、もとはといえば、竣太さんは自らの詰めの甘さ(「交際の有無」「性交渉の同意の有無」「拒否の有無」「抵抗の有無」が曖昧)があだとなって招いた結末です。ここで読者の皆さんにお伝えしたいのは、彼女の“弱み”を握られ配下に置かれるようなことは、どんな男性にも起こり得るということです。決してひとごとではないのです。