稼げるIT系は、時給換算で4620円!
職種別で年収1位だった「システムアナリスト」は、システムコンサルタントとも呼ばれ、ITシステムの戦略・立案を担当する。システム構築の工程では最上流の仕事だ。ITスキルだけでなく、頭脳をフル回転しないとやっていけない職種と言える。
以前、ある人材紹介会社のコンサルタントは、こう話していた。
「システムアナリストは、基幹システム分野において、企業のビジネスプランに基づいてどういうシステムにすれば実現できるかを企画し、提案するのが仕事です。そして、その仕事を実際に作り込んでいくのがプロジェクトマネジャー(PM)、プロジェクトリーダー(PL)、システムエンジニア(SE)、プログラマー(PG)です」
つまりシステムアナリストとは、創造力・企画力・提案力がなければ務まらない仕事と言える。たとえAI時代が到来しても、IT分野で人を使いこなす手腕はおそらく引く手あまただろう。よって、今後も高給取りの座に君臨する可能性は高そうだ。
▼稼げる・稼げないIT系 何が収入の多寡を決めるのか?
ただし、同じIT系の職種でも、工程の下流に近いシステム開発分野では、ゼネコン業界のような「大手の元請け会社と中小の下請け会社」という構造になっているため、同じ職種でも下請けの社員は元請けに比べると年収は3〜4割低くなるという。
こうした構造があるため、IT系企業だからといって年収が高いとは限らない。Vokers調査の「上場企業の時給ランキング」では、上位30社のうちIT系企業といえるのは21位の野村総合研究所だけだった(図表2参照)。同社はシステム開発では業界トップクラスの企業だ(時給4620円、平均年収1156万円)。いわば「大手の元請け会社」なので年収も高い。