転職して年収が上がるとはかぎりませんが、チャンスがあるのに見逃している人も!? ここでは、収入アップにつながる転職について、転職コンサルタントや転職成功者にインタビューしてきました!

女性が転職するケースでは営業経験者が多く、管理部門系の人事、経理、総務、秘書やアシスタント職の人も全般に増えている。基本的には今までの経験を活かしながら、環境を変えたいと望む傾向が強いと、エン・ジャパンの菊池篤也さんは言う。

菊池篤也●エン・ジャパン株式会社 人材紹介事業部・事業部長。前職は大手人材紹介会社でキャリアコンサルタント、人事、事業企画、新規事業立ち上げなどを経験。2013年エン・ジャパンに入社し、エン エージェントの立ち上げに携わる。

「年収が上がらない、将来的に不安だからという理由もありますが、実際には今の環境での人間関係にストレスを感じて転職する方が多いですね」

人材サービスを利用する女性は20代後半~30代後半の層が厚く、転職後の「ライフイベント」も見据えている。出産・育休後の復帰など、将来の生活設計も想定したうえで、よりキャリアアップにつながる仕事を希望する。

とはいえ同じ業界・職種でも、環境を変えるには相当なパワーが求められる。それだけに冷静な判断が必要だ。

「理想の転職はないと思っています。もちろん仕事で目指すことはあっても、むしろ目の前の課題を解決したいから箱を替えるという、いわば妥協の転職に近いでしょう。そのためには業界、仕事内容、環境という軸において、自分がどこにストレスを感じているのかを把握し、新たな環境でどこまで改善できるかを見極めることが大事です」

さらに年収アップのためには、仕事の回し方や実行力など、環境や境遇が変わっても「どこでも通用する能力」を持つことが一番の武器になりそうだ。

▼転職コンサルタントが教える100万円アップする転職成功の秘策

1. 今までのキャリアを通して自分の現状を把握する
どんなスキルがあり、どういう仕事の回し方をしてきたか。情報収集が得意なのか、計画性が高いのかなど、「スキル」「知識」「能力」の3つの軸で整理してみる。

2. 解決したい課題を明確にし必要な情報を収集する
自分はどの能力を伸ばしていきたいか、何を解決したいのかを認識し、そのために何が必要かを考える。そのうえで望ましい環境やポジションを得られる企業の情報を集めていく。

3. 一時的に年収は下がっても将来的な「投資」と覚悟する
初年度の年収は下がっても、そこで能力を伸ばしていくことでその先の年収アップにつながる。下がった分は自分への「投資」と考え、生涯年収を高めるような転職を目指したい。