女性の転職者平均年齢はおよそ30歳――独り立ちして仕事を回せるようになる一方で、結婚、出産など、ライフイベントの変化が起こりやすい年齢とも言え、仕事に求めるものも、無我夢中で働いてきた20代とは変わってくるはず。そんな"転職適齢期"の女性が挙げる譲れない条件とは?

転職支援サービス「DODA」が2016年2月に発表した調査結果によると、2015年下半期の転職者の平均年齢は32.1歳で、調査開始以来、過去8年間で最も高い年齢となったことが分かりました。転職者の平均年齢は8年間で2.6歳上がり、女性だけでみると29.6歳(8年前と比べて+1.9歳)と、30歳前が転職者平均年齢となっています。

すでに結婚している人も、これから結婚する予定がある人も、当面結婚の予定がない人も、子どもを産みたい人も、そうでない人も……多くの女性にとって30代に突入するいわゆるアラサー期が“節目”であることは間違いありません。

そんな時期に転職へと踏み切るとき、“譲れない”ものとは何でしょうか。20~30代の働く女性に話を聞きました。

Case.1 勢いやスピード感あふれる企業である

「『勢いのある会社かどうか』を重視します。新卒で入社した大企業で7年近く働いていますが、この先転職する機会があるなら、小規模でスピード感のあるベンチャー企業を選びます。新規ビジネスを一からつくりたいんです。大企業よりも裁量権を与えられる可能性が高く、そうなると動きやすいですし、実力さえあれば上にもいける。大企業にいながらもベンチャースピリットが強いタイプなので、チャンスは常に狙っています」(Aさん/30歳/教育関連)

30歳という若さながら、大企業でマネージャークラスのポストを勝ち取っているAさんは「いま一番楽しいのは仕事。もっとステップアップしたいし、できることはたくさんある。社会に新しい価値をつくり出したい」と語ります。直近で結婚や出産を視野に入れていないため「全力で走り続けられること」を重視しているそう。

Case.2 家庭と両立できて、やりたい仕事である

「仕事と家事の両立が無理なくできること。仕事について補足するなら、自分の経験値が高まり、かつ心からやりたいと思える内容であること。ちょっと欲張りかもしれませんが……。いままでは仕事だけを優先してきて、家事なんて二の次でした。でも、向こう10年を考えると、さすがに結婚もしたいし子供もほしいんです。となると、両立しながら働ける環境で、自己実現できる仕事かどうかが、転職先を選ぶ上で重要なのかなと」(Bさん/29歳/広報)

同じ会社の独身アラフォー女性を見ると、「私は結婚も出産もしたい」と思う気持ちが、強くなってきたと感じているBさん。この先ライフステージが変わり、抱えるものが増えたとしても、好きな仕事に捧げてきた20代と同じような人生を、30代以降も送りたい、と語っています。

自分だけの「絶対に譲れない条件」を挙げられるようになるのも、20代で積んだ仕事の経験のたまものです。