看板商品「シロノワール」も活性化

コメダファンにはおなじみだが、店の看板スイーツといえば「シロノワール」だ。温かいデニッシュパンにバニラソフトとチェリーを載せて、シロップを添えて出すというスタイルを1977年の発売からずっと守ってきた。定番のシロノワールは今も変わらない。

その40年ブランドも、14年から派生商品を出している。現在展開するのは「キャラノワール」(730円、ミニキャラノワールは500円)だ。2種類のキャラメルソースを使ったもので、ソフトクリームの上に甘いキャラメルソースをかけ、デニッシュパンの中にはほろ苦いキャラメルソースをはさんでいる。

社風は「保守的」だが

「もともと保守的な社風の会社」(同社社員)というコメダも、近年は遊び心も取り入れている。昨年や今年のバレンタイン時期には、それぞれ「チョコ色に染まれ! コメダのチョコ祭り」(16年)、「Ms.コメダの魔法 チョコソフトにな~れ」(17年)を掲げ、各店舗でクリームソーダやアイスココアなどソフトクリームを使ったメニューを、バニラソフトからチョコソフトに変えた。シロノワールもチョコソフトの「クロノワール」となった。

季節のシロノワールとして展開する「キャラノワール」

消費者の反響も高く、「夜遅くコメダ珈琲店に行ったら、クロノワール(大)がなく、(小)しか食べられなくて残念」などブログで紹介する女性もいた。

一連の取り組みを仕掛けたマーケティング本部長の中山拓美氏は、「うまくいった例もあれば、少し苦戦した例もありますが、以前からのお客さまにも喜ばれ、新しいお客さまも増えました。定番のシロノワールよりも、季節のシロノワールは、若い世代も積極的に注文されています」と振り返る。

この取り組みは、マーケティング用語で「ブランドの活性化」と呼ぶものだ。コメダ珈琲店の公式サイトで「新商品・キャンペーン」情報を見ると、シロノワールを含めた新商品発売時の情報が、過去数年分紹介されており、“活性化”ぶりもわかる。