セブン思考なら――周囲の反対は大チャンス
一方、セブンにも横串となるビジョンや価値観はあるものの、必要以上に周りに合わせることは求められていない。セブン-イレブン・ジャパン取締役常務執行役員商品本部長の鎌田靖氏は、商品開発で成功する社員像を次のように明かす。
「周りがトイレに行くから自分も、というタイプは、あまりいい仕事をしないですね。一緒にトイレに行きたがるのは、お客様ではなく社内を見ているから。お客様を見ていたら、周りがどう動こうと『私は私』となるはずです。職場から浮いたって、まったくかまわない。みんなが連れだってランチに行くときに、『すみません、この仕事を片づけたいので』と言う人のほうが頼もしい」
人と違うことを気にしないのは、独自の商品を次々に成功させてきたセブンらしい考え方といえる。
「うちは人マネをしません。ほかのコンビニチェーンで売れているものがあっても関係ない。私たちが見ているのは、あくまでもお客様だけ。その結果、開発したものが業界の常識から外れたものであっても気にしません。周りがやっていないのだから、むしろチャンスです」
そもそもセブン-イレブンができたときもそうだった。世間から「大型スーパーが進出して商店街が衰退しつつある時代に、小型店が成り立つわけがない」と揶揄されたが、鈴木敏文前会長は雑音をシャットアウトして日本にコンビニという業態を定着させた。周囲から浮いていても、信念を貫くことが重要だ。
京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
日本航空客室本部チーフキャビンアテンダント。客室乗務員歴は20年超。2014年、JALフィロソフィ教育の進行役を務め、社員の意識改革にあたった。
セブン-イレブン・ジャパン執行役員オペレーション本部付。中央大学文学部卒。セブンカフェや自社開発商品のセブンプレミアムをヒットさせた。