予定を自分で決めれば後の変更よりも効率的
ところで、驚くのがこうした仕事のスケジュール管理のすべてを、野田さん自身が行っていることだ。一見、余計な仕事のように思えるスケジュール管理をなぜ秘書に任せないのか。
「なぜ全部自分で決めているのかというと、スケジュールの把握ができるからです。子育てとの両立もありますし、秘書もすべてを理解してくれているわけではないので。自分でやると手間ひまかかるでしょと言われますが、後で変更するよりも効率的です。自分で決めたスケジュールなので内容の把握もでき、精神的にも安定しますし、モチベーションも下がらない」
同じ例として、政策立案などに活用する新聞や雑誌の記事、データの切り抜きがある。これも秘書に任せず、野田さん本人が行っている。
「昔はラインマーカーを引いて、秘書に切ってもらっていましたが、自分でやったほうが頭の中に入るんです。いまは自宅から議員会館まで車で30分くらいなので、移動中に集中的に新聞や雑誌を読みながら、ハサミで切っています。それを袋に入れておいて、時間のあるときにノートに貼っています」
ベテラン女性議員として日夜奔走する野田さん。ちなみにどんなリフレッシュ法を取っているのかを尋ねると、朝の時間をとても大切にしているとのこと。毎朝5時半~6時に起床し、まず風呂に入る。この約30分のバスタイムが「唯一の私だけの時間」。15分くらいを趣味の読書に充てる。湯船に浸かりながら、好きな小説を読む。そのあとはネットでニュースを見たり、メールチェックをしたりしながら、朝の1時間ほどを1人で過ごす。
この1人だけの時間に大きなリフレッシュ効果があるといい、仕事と育児の両立に奮闘する女性におすすめだと野田さんはアドバイスする。
1960年生まれ。83年上智大学卒業後、帝国ホテルに入社。93年衆議院議員初当選。郵政大臣、消費者行政推進担当大臣などを歴任。