取引先社長の話を遮り「社長、マジすごいっすね」
仕事よりプライベートを重視するのは何も悪いことではない。だが、終業後の飲み会などの誘いは新人に気を遣っての対応なのだが、その気持ちを汲み取ることなく「参加したくありません」と突っぱねてしまうと職場の仲間も気分を概するだろう。
このタイプは「組織の一員であるという自覚を持たず、逆に外れたいという意識が強い」と語るのは住宅設備メーカーの教育担当者だ。
「このタイプに決して無理強いしてはいけません。一度本人の仕事に対する価値観や周囲の人間に対する気持ちなどをじっくり聞いてやることも大事です。そしてそっとしておくに限ります。いずれ仕事に少しでもおもしろさを感じるようになれば、自然に仲間に対する態度も変化してくるものです」
とはいえ、マイペースタイプの新人は周囲とのペースのずれに気づいていない場合が多い。
「取引先に連れていき、相手の社長の話を突然遮り、『社長、マジすごいっすね』と発言し、驚いたことがあります。とにかくマイペース。仕事を始めると視野が狭くなり、全体の状況を把握できなくなるという特徴があります。このタイプに『空気を読め』とか『全体の状況をよく考えろ』と厳しく言っても効果はありません。強く指導するのではなく、どういう時にどういう対応をすべきなのか明確な基準をつくって、それを守るように地道に言い聞かせながら指導していくことが大事です。多少の変な言動は目をつむりながら、本人が主体的に行動できるようにしていくしかありません」(前出・教育担当者)
このタイプに限らず、誰もがさじを投げたくなるような新人も少なくないだろう。怒りたくなるが、そこはぐっとこらえて忍耐強く教えていかなければいけない。
骨の折れる新人教育がこれから始まる。