学校では学べないお金の増やし方
大事なことは、世界から日本を見るという視点です。アパグループの投資姿勢は逆張りだと思われるでしょうが、私たちからすれば“順張り”です。むしろ皆さんの考え方や常識のほうが堅い。自分の殻を破るのは自分しかいません。勉強を重ね、すごい学歴をお持ちの方は多いですが、それを飾りにしていてはいけません。
殻を破るには、先見力を身に付ける必要があります。今という時代をどう認識するのか。目と頭を使って勉強して、確立した考えを持っていれば、先は見えます。そのためにも新聞や雑誌の記事を分析し、行間を読むことです。情報は溢れていますが、ニセモノも多い。いい情報は見極めなければなりません。情報力を磨くには、いろいろな人に会ったり、さまざまな国に出かけたり、幅広く情報収集をすることが重要です。そして自分が得た情報が本物かどうか選別してみるのです。
理論的な勉強だけでなく、実践の勉強もすべきです。そのほうが危機管理能力を身に付けられます。特に金融の勉強は必須です。人間で言えば、金融は血液。お金の流れを把握して、裏付けとなる資金をチェックしながらでないと、ビジネスでは成功できません。
そして、未来に対する人生計画を持つこと。何歳で何をするのか、いつまでにするのか。私たちは必ず期限を付けて実践してきました。もちろん辛いこともあります。でも、それで人は伸びることができるのです。
日本人にとってお金とは:殻を破れば“兆万長者”も夢じゃない
1947年、福井市生まれ。県立藤島高校を卒業後、福井信用金庫に入社。22歳で結婚し、翌71年、夫が設立した信金開発(現アパグループ)に入社、取締役に就任。94年から現職。2011年早稲田大学大学院公共経営研究科博士課程修了。日本舞踊、ヨガ、習字など趣味も多彩。