大手に勝つ●その4「ネットを駆使して海外展開」

昭和時代には男性が親しむスポーツの絶対的王者だった野球も、厳しい時代を迎えている。少年の選手登録数はサッカーに逆転されており、草野球を楽しむ大人も少なくなった。実は、国内における総人口減少の数倍の早さで「野球競技人口の減少」が進んでいる。

ベルガードは前述の国内市場を開拓する一方で、海外展開にも注力する。冒頭のインスタグラムのようなソーシャルネットワーキング(SNS)はコストもほとんどかからず、非常に効果的だという。昨秋には提携先のBelgard baseball USA に委託して米国内での販売もスタートさせた。以前から注力してきた韓国では現地企業と販売契約し、韓国における事業拡大も図る。いわば「今日のメシ」(国内)と「明日のメシ」(海外)の二刀流だ。

利益確保の視点では、インターネットによって商品カタログなどの製作コストも下がった。前身の会社が羽振りのいい時は、球場を借りてモデルを使って商品撮影したこともあったという。それが現在は、社内でブツ撮り(商品撮影)し、自分たちで内容を構成して印刷したり、ネットで発信したりする。宣伝コストは多い時の1%程度に下がったそうだ。

もちろん同社の生命線はモノづくりだ。永井氏は「これからも大手企業が注力できない分野で勝負したい。メイド・イン・ジャパンの品質では負けない自信があります」と語った。同社の活動は「思い込みを捨てる」「ビジネス環境の変化の波に乗る」といった視点でも参考になりそうだ。

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