土日の部活をなくしたら、親の大反対運動

【2. 子どもは自分で選択して「やりたい部活動」をやる】

部活動の存在意義は、言うまでもなく「子供のため」です。子供の健全な成長に寄与するものだから、教育活動に取り入れられているわけです。部活動は「長期的な視野で幸福になる」という前提。部活動は基本的に希望選択制なので、子供は「やらない」という選択もできます。

つまり、先の顧問の場合と領域(A~D)は同様ですが、分布の仕方が異なります。選択できる面が大きいため、顧問に比べC「やりたくないけどやる」が大きく減ります。これはD「やらない」に移るだけでなく、「やりたい部活動をやる」という選択ができるため、AやBが増えます。この「自分で選択できる」という点が顧問との大きな違いです。よって「たくさん練習をやりたい」の声は顧問よりも大幅に増える結果となります。

一方で、内心では「練習が多すぎる。他にもやることがあってきつい」という子供の声が上がるのも事実です(それなら辞めればいいのですが、実際は人間関係などが絡んで辞めるのが難しいことも少なくありません)。

【3. 親は圧倒的に「土日部活動賛成派」】

では、親御さんはどうでしょうか。

そのタイプを分類してみると、A「やらせたくて存分にやらせている」が多いはずです。部活動に所属している子供が多数派で、かつ土日祝も実施しているのが常識なのだから、論理的に考えるとそうなります。もし、やらせたくて存分にやらせているのでなければ、子供が辞めたいというのを無理にやらせていることになりますが、それは自己主張をそれなりにする中高生相手には難しいでしょう。つまり、「週末を含めた部活動を支持する層」親が最も多いと思われます。

親の部活動に対する気持ち

子供が行きたくて行っていて、その間は、親も自由な時間ができる。スポーツクラブだったら1回何千円、月に数万円かかるところが、何と「無料」&「時間無制限」。反対する理由は何もありません。

もし「土日の部活をなくす」と言ったら、親御さんから大反対運動が起きても不思議ではないでしょう。子供の側はといえば、部活を楽しみながらも内心はたまに休みたいと思っているので、きっと反対運動までは起きません。その点で、一部の熱心な親御さんは、土日部活動の陰の推進者といえるかもしれません。