こうした店側の都合から身を守るには、2つの呪文を覚えておけばいい。「解約料はかかりますか?」と「縛り期間はありますか?」だ。もし店員の答えがイエスなら、契約書の隅々まで読まなくとも、そんな不利な契約はやめようと即断できる。

一方で、「金を出してモノを買ったのだから、使い方まで面倒を見てもらうのが当たり前」という消費者側の思い込みが、PCデポ的商法を助長した部分もある。白物家電ならともかく、パソコンやその周辺機器については、設定や使い方の習得は基本的にユーザーが自力でやるのが原則だと認識する必要がある。

月額1万5000円もサポート契約に払うぐらいなら、その金でパソコン教室に通い、自力で問題を解決できるスキルを身につけたほうがずっといい。私なら、親にはそちらを勧めたい。お金を節約したいなら、自治体が主催する無料講座もある。

教室に通うのは難しいという人は、電話やパソコンの遠隔操作による使い方サポートを無料で行っている、一部国内メーカーの製品を選ぶのも手だ。また、NTTはフレッツ光の利用者に、同様のサポートを月500円で提供している(縛り期間も解約料もない)。

自分の親が、もちろん自分自身も同様なトラブルに巻き込まれないためにも、「購入後は店の世話にならない」という心がまえを持ちたい。

(構成=川口昌人)
関連記事
なぜ、人は「ついでに」言われると金を払うのか?
電力会社乗り換え「●年縛り」に気をつけろ
「ポイントは貯めますか?」に「はい」と言っていませんか
スマホのSIMロック解除が義務化! メリット・デメリットは?
老親の一人暮らし。悪徳業者に騙されないテクニック