世界一周旅行→孫の世話→ペット→家中の邪魔者
シニア向け人材マッチングサービスを行うサーキュレーションの代表取締役・久保田雅俊氏も、菅井氏と同意見。3000人以上の富裕層シニアと面談してきた経験から、「自分でお金を生み出し続けることができれば、社会から求められているという実感が得られ、現役を退いても生きがいを感じられる」と分析する。
「自分はどう生きたいか、何に生きがいを感じているのか、どんな強みがあるのか。ハッピーなシニアは自分をよく理解しているし、人生のビジョンが明確です。ですから“現役を引退”といっても、本当に働かずに家でゴロゴロしている人はほとんどいません。自分の知見を活かせる企業で顧問的な立場で働き、収入もやりがいも得ている人ばかりです。『定年退職したらじっくり世界を旅してまわりたい』などと言う人がいますが、旅行が楽しいのは最初だけ。それに飽きたら孫の世話に夢中になって、今度はペットを可愛がって。その後はすることもなくなり、最終的にはペットからも相手にされなくなりますよ」(久保田氏)
そうなってから急に「生きがいとは?」と考えはじめるようでは遅い。井出進一税理士事務所代表の井出進一氏も、「『金持ちじいさん』は、現役引退後の人生設計も資産形成も、時間を味方につけて手に入れてきた人ばかりです」と語る。現役時代から、日々の生活を通して自分に対する分析を深め、先んじて準備しておくのが正しい作法だと言えそうだ。
サーキュレーション代表取締役。大企業で役員経験のあるシニアを中心にネットワークを構築し、企業の課題を解決する人材マッチングサービスを行う。これまでに面談してきたシニアは3000人以上。
元メガバンク支店長。退職後、不動産投資に力を入れ、年間7000万円の不動産収入がある。初の著書『お金が貯まるのは、どっち!?』は45万部のベストセラーに。最新刊『金の卵を産むニワトリを持ちなさい』発売中。
井出進一税理士事務所代表。中学卒業と同時に海上自衛隊に入隊。20代の頃自衛隊を辞め、バンド活動、コンビニ店員を経て税理士へと転身した異例の経歴の持ち主。FP 2級資格あり。