お金を目的に働くと仕事が嫌いになる

「年収2000万円以上の人も、最初はお金のためだったかもしれません。しかし、ある程度の収入に達すると物欲がなくなり、お金や名誉より他のところに目が向きます。私も20代は稼いでナンボという考えで働いていましたが、1000万円を超えたあたりからお金への執着が薄れました。いまは『日本を元気にしたい』という目的を掲げて、NPOを3つやっています」

働く目的はモチベーションにも影響を与える。お金を目的に働けば、自分のやりたいことを犠牲にしなければいけない場面もある。一方、自己実現や社会貢献を目的にすれば、自分のやりたいことと仕事の中身の一致度が高くなり、モチベーションも湧いてくる。実際、「現在の仕事が好きだ」と回答した人は、2000万円以上で82.4%と、500万円台の59.0%を大きく上回った。

仕事が好きになると、次に起こるのはワークとライフの一体化だ。「オフにも仕事や新しいアイデアを考えていることが多い」と回答したのは500万円台で43.0%だったが、2000万円以上は59.2%で、半数を超えた。

仕事=好きなことを四六時中考えていたら、やるべきことは増えてくるだろう。ただ、r型ワークスタイルを身につけていれば、仕事を効率化して、次のサイクルに入っていくことができる。この好循環を繰り返し回していくことが大切だ。

吉山勇樹
ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO。年間200日を超える企業研修を行う。主著に『残業ゼロ!仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術』。
 
(澁谷高晴=撮影)
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