この仮平均を使った解法がなぜ成り立つのかを、積み木を使って説明してみたい(図参照)。実はこれは小学校の算数の教科書で、平均を説明するときにも使われるものなのだ。
平均というのは、文字通り「平らに均ならす」という意味である。デコボコの土地を平らにするようなイメージといったらいいだろう。小学生は平均の公式は覚えるが、平らに均すという平均の本来の意味を理解できていないことが多く、積み木を使うとわかりやすい。
通常の平均の計算(合計÷個数)では、この積み木をいったんすべて崩してバラバラにし、また集めて4つに積み上げる。しかし、仮平均の場合は、下部分の50を固定し、上部分だけを崩して4つに分け、高さを揃える。つまり、デコボコを平らに均すという作業をするのだ。こうすることで、仮平均を使って平均が求められることが理解できる。
「平均とは何か」と問われたときに、大人でも正確に説明できないことがある。平均とは合計を個数で割るということは知っていても、本質的な部分で理解できている人は多くないのではないか。もしも自分の子どもが算数を苦手にしていて、平均がわからないようならば、このように積み木を使って教えてあげれば理解しやすいはずである。