マナーがないのは不動産、マスコミ
【東出】でも、企業規模によってマナー講師の扱いって全然違ってきませんか? 私は最近、中小企業どころか零細企業みたいなところでも研修をするんですが、そうするとマナー講師のことを「先生」じゃなく「下請け」だと思ってるみたいで、扱いがひどいひどい。
【新井】地方の中小企業に行くと、「ひどいなー」っていう人事担当者にあたることがあります。社員や社長の悪口を平気で私たち外部の人間に言ったりするし、講師のことも「お姉ちゃん」扱いだったりして。それで、「ひどい担当者だなぁ」と思ってると、セミナーを受ける社員はもっとひどいんですよ。人事担当者のレベルで、その企業がどのくらいの「できなさ」なのかが大体測れるようになってきました。
【黒田】私も昔、中小企業のエロ社長に口説かれたことがありますよ。本当に私たちのことを「都会から来た綺麗なお姉ちゃん」と思ってるんでしょうね。
【高橋】そういう人たちに教えても、全然響かなくて悲しくなりますよね。そもそも「マナーが大切」だなんて思ってないんだもん。不動産や飲食業界は、企業規模に関係なく「ダメ」な企業が多い気がします。もともと「やんちゃ」してたのが雰囲気でビンビン伝わってくるというか。「あざーっす!」「お疲れっす!」って勢いだけはいいんだけど、マナーはまるでできてない。
【東出】あと、出版やテレビ関係の人たちもマナーは全然ダメ。もちろん、それなりの大企業だと人事担当者は結構しっかりしてるんですよ。それに、研修を開けばその場ではきちんとマスターしてくれるんです。でも、彼らは全然日常生活で実践しないんですよ。あれは一体何なんだろう。頭の悪い人たちじゃないから、私たちの教えたことをその場で真似るのはうまいんだけど……やっぱり「マナーが大切」なんて思ってないんでしょうね。この前実際にあったことなんですけど、私が新入社員に電話応対を教えてたんです。すると、様子を隣で見てた上司が、「お疲れちゃーん」とか携帯で大声で話し始めたりして(苦笑)。
【新井】マナーゼロですね。