▼べた褒めする言葉

昔から、謙遜することが日本人の美徳とされ、「うちの愚妻が」というような言葉が普通に使われてきたが、今はそういう時代ではない。

特にビジネスの世界においては、謙遜は決して美徳にならない。例えば、「うちにはノウハウがないので、ぜひともご指導ください」と言うと、相手を立てているように聞こえるが、仕事を共にする相手にとってみれば、ノウハウのない会社に仕事を任せられない気持ちになる。また、同席した部下も、まるで無能な社員ですと言われているようでいい気持ちはしない。

いいリーダーは、社外の人に自分の会社のことを話すとき、「うちのスタッフは皆、優秀で」と話す。部下が同席しているときにも、あえて「うちは最強のチームですから」と言うようにする。

「君は優秀だね」と直接褒められるのもうれしいが、他者の前で「こいつ、すごいんです」と言われたほうが、言葉の信憑性が高まり部下のやる気にもつながる。

社内で話すときも同様だ。「うちのチームは優秀だよね。これができるんだから、何でもできるんじゃない?」「こんな優秀なメンバーが集まるのは珍しいよ」と、前向きな言葉を使いたい。

ここで数字を使えば、信憑性はさらに高くなる。例えば、「1人の売り上げが3000万円だといい会社、2000万なら普通の会社、1000万円はダメな会社。このチームは5人で1億5000万円売り上げたから、1人の売り上げは3000万円。これすごいことだよ」と言う。そのあとで、ぼそっと「ただキャッシュフローが悪いんだけどね」などと課題を付け加えて、さらなる高みを目指してもらうのもいい。

× うちにはノウハウがなくて(謙遜)
うちのスタッフは皆、優秀でして