▼気づきを与える言葉
会話がない職場が増えている。朝、出社しても、誰も挨拶しないまま、自分の机に座ってPCを立ち上げる。誰かが通っても、まったく反応なし。社員のモチベーションも低い。
元気のある会社のリーダーは、現場をよく見ている。“Management by walking around”という言葉があるが、役員クラスになっても工場などに行って、「最近、どう?」と声をかけて社員一人ひとりに気を配るのだ。
どれだけ頑張っても利益が上がらないときに、これから自分はどうなるんだろうという不安にかられる。沈滞した職場を明るくするのに、お金もかからずすぐにできる方法が、声をかけることだ。
部下への声かけが、「新規どれくらい増えた?」とか「売り上げ伸びた?」あるいは「目標達成できた?」といった言葉に終始してしまうのも残念である。これらのワードは、すべて会社側の都合によるもので、お客さんの視点が抜けている。そんな言葉で物事を考え続けていると、出世欲だけが強くなって「成功しなくては!」と焦るあまり、変な技巧に陥ってしまうことにもなりかねない。
よって、「売り上げ増えた?」ではなく「お客さん、増えた?」、「新規どれくらい増えた?」ではなく「お客さん、喜んでる?」と言うようにするといい。同じような意味でも、視点が変わることで意識がまったく変わってくる。結局、それが売り上げ増加にもつながる。
本当に大切なことを見失わないように、折に触れ部下に気づきを与えることは上司の大きな役割だ。
× 売り上げ増えた?
○ お客さん、喜んでる?
○ お客さん、喜んでる?