常識は非常識

もちろん、闘志だって並大抵のものじゃない。 タケさんは現役最後の「炎」を、あのV7の新日鉄釜石の流れをくむ釜石SWで燃やしている。トップイーストの釜石SWは昨季、トップリーグ(TL)昇格門前までいった。今季は新戦力も加わり、TL昇格への期待も膨らんでいる。

タケさんは独特の言い回しを使う。「自分の中の悪魔を取り払って、ラグビー選手としては常識は非常識、非常識は常識でいきたいと思います」。目標が今季も「日々向上」。

「目の前のワンプレー、ワンプレー、1試合、1試合、1日、1日を100%で取り組んでいきたい。自分としては日々向上、チームとしては(TLに)上がるようやっていきたい」

ラグビーにはとことん真面目。全力だけど、頑張り過ぎず。44歳の夏。タケさんがマイペースで走る、走る。

松瀬 学(まつせ・まなぶ)●ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)、『一流コーチのコトバ』(プレジデント社)など多数。2015年4月より、早稲田大学大学院修士課程に在学中。
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