あらためて、おもいました。ケリー・ターナー博士のあげた「劇的な寛解」を遂げた人々が実践していた「9つの項目」のことを。

食事を変える、サプリメントやハーブの助けを借りる、抑圧された感情をとき放つ、魂とのつながりを感じる、前向きに生きる――。9項目はこういった、一見、なんでもないこと、だれにでもやろうと思いさえすればできることばかりでした。でも、これが私たちの身体の中で、脳のホルモン分泌を変えたり、ある種の神経伝達物質を増やしたりして、傷を修復し、健康へと導いてくれる。ターナーさんは、豊富なリサーチでこのことを描きだしました。

薬だけで治す、という試みは、実質的に不可能に近いということが、世界の第一線の医学者たちの手で明らかにされてきた。一方で、非医学的なアプローチでがんに取り組む研究者――ターナーさんもその一人です――は、人の生き方そのものを変えることによって、どんなに難しいがんからも生還する可能性はゼロじゃない、ということを明かしてきました。

アメリカでは、「がんが自然に治る生き方」の原著、Radical Remissionをもとにした、「9つの回復の物語」が連続ドキュメンタリー番組になってテレビ放映されるそうです。

9つの項目に必要なのは、地道な努力のみ。お金はさして、かかりません。医療費の高額なアメリカでは、この自助努力が受け入れられる素地が、皮肉な形ではあるものの、できあがっているのかもしれません。

※この記事は2015年3月30日掲載「ふくしまニュースリリース」の連載コラムを著者と媒体運営会社、ライクス(http://www.like-s.jp)の許可を得て転載したものです。

フリーライター 長田 美穂
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。2010年8月に『ガサコ伝説『百恵の時代』の仕掛人」(新潮社)を刊行、10月よりシアトル在住。2013年からは日本とシアトルを行き来しながら取材執筆を続けている。
(提供=like-s)
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