個性派が揃っている芸能界でも同じことがいえる。お笑いコンビ「サバンナ」の高橋茂雄さんも、飲みすぎて先輩に馴れ馴れしくもたれ掛かってしまい「アホ、酔いすぎやねん」と怒られたことは何回もある。そういうときは、許してもらえるまで何度でも謝るという。
「でも、それは注意であって、けっして嫌われたわけではない。そこできちんと反省したら、それまで以上に可愛がってもらえることもあります」
失敗することもあるかもしれないが、それを覚悟しながら思い切って相手に近づいてみることも大切なのだ。
リハーサルの合間にも仲間同士でワイワイガヤガヤ話すことも多いが、そこで絶対に持ち出してはいけないのが自慢話だという。先輩に対してはもちろん、後輩にもすべきではない。
「たまに『俺この前の舞台でメッチャウケたわ』とか『合コンでモテて……』なんていうヤツがいますが、誰も他人の成功した話なんて聞きとうないんです。後輩を客観的に見ていても、可愛がられるヤツというのは『スキ』がある人。『おまえ、アホやな』と言われるくらいのほうがちょうどいい。完璧な人は仕事はできるんやろうけど人間味がなくて『こいつと飯行こう』とか『一緒にいて、居ごこちがいい』 とはなりません」
むしろ、失敗談のほうがはるかに仲間意識も高くなる。「ゆうべ、かみさんにえらく嫌われてしもうたわ」といった弱音をさらけ出すことで、人間的な部分を感じてもらえるのだ。
いつも、完璧に構えていたり、自分を大きく見せようとしている人には話しかけにくい。自分を飾らずに“スキ”を見せるぐらいにしていれば、相手も安心して話しかけてくれる。そうなれば、会話も自然と弾んだものになるはずだ。
▼地雷ゾーンの見極め方3カ条
【1】身体的特徴を揶揄するのはNG
【2】それでも「ギリギリの線」までいってみる
【3】自慢話は厳禁。失敗談を披露する
植木義晴
1952年、京都府生まれ。慶應義塾大学法学部を中退後、航空大学校へ。75年に卒業し、日本航空(JAL)入社。2010年、執行役員(運航担当)、12年2月、社長就任。
高橋茂雄
1976年、京都府生まれ。94年よりお笑いコンビ「サバンナ」を結成。「太鼓持ち芸人」として知られ、テレビや劇場を中心に活躍中。