医療行為によるダイエットにも新しい流れがある。ハーバード大学のウエルマン光医学センター R・アンダーソンとD・マンシュタインが発案した「脂肪冷却」だ。ブラッド・ピットやクリスティーナ・アギレラなどのセレブも施術を受けていると聞けば、期待も高まるというもの。「脂肪冷却」は、水と脂肪の凝固点の違い(0度と4度)を利用して、脂肪細胞だけをシャーベット状に凍らせて自然死させ、老廃物にし、体外に排泄物として出す仕組みだ。脂肪を落としたい部分にカップをあてるだけで手術等は不要。安全性に優れ、施術後すぐに仕事をしたり、運動したりすることもできるという。
これまで痩身医療の主流であった「脂肪吸引」は、米国食品医薬品局が「10万人に20~100人に重篤な副作用が出る」という警告を発している。それに比べると、安全性の高さが大きな魅力だろう。施術前に比べて脂肪量が約20%減少するとされているが、自然に排泄されるため、効果が出るまでに1~4カ月かかるという。エステサロンでは、医療知識のない美容スタッフが医療的な痩身法を行うため、その危険性を指摘する声もある。
本当に痩せたければ、食べる量を減らし、運動量を増やせばいい。この基本原則は知っていても、なかなか実行できないのが人間だ。誰もが、楽して痩せ、健康になりたい、美しくなりたいと願う。そのため、この願いを「叶えてくれるかもしれない」商品や方法が次々と市場に登場するのだ。