加えて、教育機会をしっかり与えることが必要となる。ただダメ出しをしても、方法論がわからなければ、行動の改善は起きない。そうすると、ずっとダメ出しをされることになる。それはいつしか、会社や上司に対する「逆恨み」の感情を育ててしまうことになるので、危険である。
(4)暗黒フォース型への処方箋
暗黒フォース型がはびこっている組織の典型的特徴は、「挑戦をしても得にならない。それどころか失敗でもしようものなら出世がなくなる。出世のためには、そんなことよりも政治的にうまく立ち回ることのほうが重要」というものである。
この真逆のモデルケースになるのが、ユニクロを経営するファーストリテイリングである。成功体験を棄却しなければ達成できないような、大きな目標を常に掲げ、そこに挑戦することを強く奨励する。言葉だけでなく、挑戦し成功をおさめれば、抜擢もされる。逆に、挑戦しようとせず、既存の延長線で行動をしているようだと交代が行われる。
挑戦するのが得であり、挑戦して成果を出すこと以上に出世に大切なことはないという人事が徹底されている。スターウォーズになぞらえて名付けた暗黒フォースは、悪しき官僚病であり、企業の闇である。対処が遅れ、組織風土として席捲されてしまうと、本当に企業を倒しかねない負のパワーを持っている。そうなったときには、自力では解決できない、深いフリーライダー問題になっていると認識しておいてほしい。
以上、タイプごとの対策を見てきたが、最も本質的なことは、「フリーライドするなんて考えもしない」くらい社員から愛される会社にすることである。そのためには、「社員に支えられているんだ」ということを心から思い、厳しいことも言うけれど、社員に対する感謝と認知を忘れないという経営者の態度が欠かせないことを最後に付け加えておく。