プロセスも評価して「アレオレ詐欺」に待ったをかける
したがって、処方箋としては、
●仕事のプロセスを「それなりの重いウエート」で評価する仕組みにすること
●360度評価などにより多面的な評判情報を収集し、一元的な情報で評価ができないようにすること
が必要となる。
典型的なケースが、よく事例でもとりあげられるGE(ゼネラルエレクトリック社)である。GEでは、GEバリューと呼ばれる行動評価があり、上司、同僚、部下、他部門、時には取引先からも評価を受ける仕組みになっている。そして、それは業績と同等以上の重みで評価され、いくら業績をあげてもGEバリューが低ければ昇進できない。
このような形であれば、アレオレ詐欺で手柄をアピールしてもうまみがないので、そのような行為の動機は抑制されることになる。
(3)過剰自己愛型への処方箋
このタイプの問題は、自己客観視力の欠如である。したがって、この力を鍛えることが必須となる。上司や人事が厳しいフィードバックを嫌がって避けていると、本人には何も伝わらない。伝わらないどころか、誤解を生み、「自分はオッケーなんだ」と認識してしまう。いい顔をしたい気持ちはわかるが、それをやってしまうと、問題があとに持ち越されてしまう。そして、まともなフィードバックをする人が、後にこのタイプの被害者となる。