ひとつだけ、私が日本でもやってみようと考えていたこと
【春秋航空日本取締役会長 王煒氏談】
国内線3路線の初就航にあたって、我々は春秋らしさを押し出すよりも、まずは日本のお客様に安心して乗っていただくことを第一に考えていました。ただし、ひとつだけ日本でもやってみようと考えていたことがありました。中国の春秋航空ではエコノミークラス症候群の予防のため、着陸の約30分前に客室乗務員がお客様と一緒にストレッチ運動を実施していて、「春秋体操」と呼んでいます。太極拳の動きを彷彿させるのでしょうか、お客様に強制するものではありませんが、私が乗った便では、体操が終わると、機内で拍手が起こりました。我々のやり方が日本でも受け入れられたような気がして思わず笑顔になりました。
1998年に留学生として来日した私は、卒業後日本企業に就職し、上海事務所に勤めていました。当時父(王正華会長)の会社で働く考えはなかったのですが、2011年3月、東日本大震災が起きたとき、上海・茨城線がこのまま運航できるのか現地視察に行くと父が言い出したので、年老いた父にそんなことはさせられないと、代わりに私が会社を休んで茨城空港に向かったことが、現在の仕事に就くきっかけとなりました。
春秋グループは、母体が旅行会社ですから、レジャー路線の開拓に注力していること、航空部門と旅行部門が対等な関係にあることが特徴です。運航先は両者の協議で決めます。
昨年8月から上海に新設した人材訓練センターが稼働しています。日本からも教官を招き、自社によるパイロット育成や人材交流などを始めています。日本の高いサービスや安全基準を取り入れていくことが、我々の国際戦略にとっても重要であると考えています。