統計分析のプロが世界の自己啓発書50冊を研究
私の友人に、統計のプロである高田晋一氏がいます。彼もまた自己啓発書を読みながら、多くの本が、なぜその行動を提唱するのかという根拠が不明確であることに不満を持ちました。
元来、自分で深く納得しないと動けない彼は、世界的名著全体を分析し、頻出度の高い法則なら信じられると調査を始めたのです。分析対象の50冊の自己啓発書リストは、著名な自己啓発書を集めて、厳選したT・バトラー・ボートンが書いた「世界の名著シリーズ」250冊を参考にしました。
私が大好きな名著もたくさんサンプルに入っていました。
『原因と結果の法則』 ジェームズ・アレン
『人を動かす』 デール・カーネギー
『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー
『EQ こころの知能指数』 ダニエル・ゴールドマン
『人生を変える80対20の法則』 リチャード・コッチ
『影響力の武器』 ロバート・B・チャルディーニ
『第1感「最初の2秒」のなんとなくが正しい』 マルコム・グラッドウェル
『思考は現実化する』 ナポレオン・ヒル
『チーズはどこへ消えた』 スペンサー・ジョンソン
『人生に奇跡をもたらす7つの法則』 ディーパック・チョプラ
など……非常に信頼性の高いものです。サンプルのピックアップ方法など詳細は彼の著書『「人生成功」の統計学』(ぱる出版)をご参照ください。
高田晋一氏の分析では、世界的名著50冊の中に書かれていることのうち次の8個の「文言」が全書籍で繰り返し述べられていることが判明した。
(1)成功をイメージする。言葉に出す ……掲載数:18冊/50冊(36%)
(2)楽観的になる・ポジティブになる ……掲載数:16冊/50冊(32%)
(3)自分の直感や内なる声に従う ……掲載数:15冊/50冊(30%)
(4)他人に与える・奉仕する ……掲載数:12冊/50冊(24%)
(5)人生の目標や目的をはっきりさせる ……掲載数:12冊/50冊(24%)
(6)他人に思いやりを持つ、許す ……掲載数:11冊/50冊(22%)
(7)楽しいこと、楽しい仕事に取り組む ……掲載数:11冊/50冊(22%)
(8)自分の価値観・求めているものを知る ……掲載数:10冊/50冊(20%)
このように数字で見ると、頻出の文言の持つ意味合いもずいぶんと違うものに映るのではないでしょうか?
成功をイメージする、楽観的になる、直観に従う……つまり、自分を信じ、前向きに生きるということが成功哲学本の肝ということになるでしょうか。
結局のところ、たくさんの成功哲学本を読みあさるよりは、この8つの法則をどのように実践するかを考えた方が近道だと私は考えます。
ただし、このような概念は、いざ具体的に行動に移そうとしても実践するのが難しいので、次回以降、どのように8つの習慣を身に付ければいいかを解説していきます。