2点目は「電子タバコは未成年でも吸えるが、Ploomは吸えない」こと。「製造たばこ」の定義は未成年者喫煙禁止法にも援用されており、警察庁は、「電子タバコはたばこではないため未成年者が吸っても法律違反ではないが、Ploomは補導対象」(警察庁少年課)という見解だ。
薬事法に話を戻せば、「電子タバコは薬事法の承認が必要だが、Ploomは必要ない」というのが実務の扱いだ。しかし、法律にそう書いてあるかといえば、実はそうとはいえない。薬事法上の規制対象は「ニコチン」であり、「製造たばこ」の定義は関係がないからだ。岡本弁護士はこう指摘する。
「薬事法には、葉たばこ由来のニコチンを適用除外とする規定はありません。Ploomや紙巻たばこに薬事法が適用されないことは法律上、不思議です」
2010年10月21日の厚生労働委員会において政府側は「たばこは嗜好品の用途に供されるので、(診断、治療、予防などを目的とする)薬事法の医薬品に該当しない」と答えている。しかしこの答弁は、嗜好に供される電子タバコが、無承認、無許可医薬品として原則、規制されていることと矛盾する。
以上のような規制の方法が、今後成長分野とされる電子タバコ国内市場の低迷や、電子タバコの未成年者規制の不存在といった問題を招いているともいえる。電子タバコを自由化するか、あるいは製造たばこを規制するか。どちらに向かうにせよ、喫煙者と非喫煙者が気持ちよく共存できるために、きちんとした法整備が必要だろう。