問題につまずく人、踏み台にできる人

ビジネスでも人生でも「目標→問題→解決策」の3つは1つのセットであり、このバランスが取れている人が成功や勝利、幸せをどんどん手に入れていき、そうでない人は指を咥えて他人を羨ましそうにみている残念な人生を送ります。

解決策は釣竿のようなものであり、目標を追いかける過程で出てくる問題をきちんと吊り上げることができればよいのですが、問題の大きさに比例して釣竿が貧弱でか細い場合は、ポキリと折れてしまうのです。

しかし生まれながらに誰もが強力な問題解決策を持っているとは限りません。細くて弱い解決策しか持たない人はどうすればよいのか。問題を前に絶望して、すべてを諦めるべきなのか。『孫子』の著者の孫武なら、そのような悩みを聞いて大笑いするでしょう。なぜなら解決策は、自分だけに頼り切る必要がなく、他人の力を借りる方法を考えてもよいからです。逆に解決策の力が大きくなれば、狙う獲物である目標を膨らませることも可能です。釣竿と獲物である魚の大きさはバランスであり、強力な釣竿なら巨大魚を狙うことも十二分に可能だからです。

問題につまずきもうダメだ! となる人は自分だけを見ており、問題を踏み台にして笑顔でのし上がる人は、解決策を広く複数の選択肢から強化していける人なのです。

現代の経営者で孫子の兵法を最も上手く使いこなしている人物は、なんといってもソフトバンクの経営者である孫正義氏でしょう。若いころ教師になる夢を諦めて米国に留学してから、コンピューターの黎明期に出会い、目の前の成功を積み重ねて現在の巨大帝国を創りだしています。孫正義氏の凄いところは、既成概念にとらわれない解決策を見つけることができる能力です。

戦場でギリギリの決断をしなければならない将軍は、常に新たな選択肢を見つける精神的な柔軟さ、発想の広さを求められます。日常のごく些細なことでさえ、解決策はいくらでも存在すると考えることができる人は、他人がつまずく問題を前に、笑顔で問題を踏み台にし、その解決に成功することでさらに勝者の階段を登っていける人なのです。

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