50歳前後の選別はこれからが本番

先ほどのグラフを見ても、50歳代後半になると、役職定年制や早期退職、給与カットなどにより、平均年収はダウンしています。次は、いよいよ40歳代後半から50歳代前半の賃金抑制や人材選別が進むのではないでしょうか。この層は、いわゆる「バブル入社組」です。

日本生産性本部が今年発表した、上場企業対象の「日本的雇用・人事の変容に関する調査」によると、

「業務や成果・貢献度に比べて賃金水準が見合っていない(高い)社員の多い年齢層は?」

という質問に対して、「50歳代 50.6%、40歳代 26.6%、30歳代 10.4%、20歳代 9.1%」と、50歳代がダントツの回答となりました。

昨今は、65歳までの雇用延長、女性社員の引き上げ、非正規社員の待遇改善など、企業にとっては人件費アップのタネに事欠きません。そのため、主要なポストに就かず、専門職としての成果や貢献も果たせない高賃金の50歳前後の男性正社員が選別され、人件費抑制のメインターゲットになると考えるのが自然でしょう。

ちなみに、社員数1000人以上の大企業・男性社員に限定すると、20代前半と比較した50代前半の年収水準は2.7倍にまで拡大します。(100人未満の中小企業は1.8倍)

バブルのお陰で大企業に滑り込めたものの、入社後の努力を怠ってきた社員にとっては、そのツケが回ってくるということでしょう。特に、収益力が低下している会社は、要注意です。

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