上司から「やっても成果につながらない仕事」を振られたとき、どうすればいいか。マネジメントコンサルタントの濱田秀彦氏は「そういう仕事をやっていては生産性は向上しない。3つのポイントを押さえれば、カドを立てずに断ることができる」という——。
心配事があって頭を抱えるビジネスパーソン
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やっても成果につながらない仕事をいかに放出できるか

マネジメント研修の講師という仕事柄、様々な企業の幹部と話をする中で、成果主義への移行が粛々と進んでいると感じています。企業は、コロナ禍という外圧でリモートワークが進んだのをきっかけに、社員に対し「働く場所、働く時間の自由度を上げるかわりに、成果で評価をする」という方向に進みつつあります。

ビジネスパーソンは、会社で長時間働くことや、かいた汗の量の多さで評価されることはなくなります。そして、企業が期待する大きな成果をあげつつも、仕事に投入する時間は抑え、ベストなワークライフバランスを自ら構築することが重要になってきます。

その中で邪魔になるのが、やっても成果につながらない仕事。そういった仕事を大量にこなしても評価にはつながりません。そういう仕事を効率よくこなしたところで、さほど意味はないのです。成果と認められないような仕事を早く放出する。実は、これが生産性向上の大きなポイントです。ただ、そのためには戦略が必要になります。

単に「この仕事は、他の人に担当を変えてほしい」と言ったら上司は「何を言っているんだ、みんな大変なんだぞ」という反応になります。問題の仕事を放出できないばかりか、「自覚のない部下」とレッテルを貼られることさえあります。では、どうすればよいのでしょう。