上司を説得するための3つのメリット設計

成果と認められない仕事を放出するためには、次の4つのステップが必要です。

放出ターゲット業務を選ぶ
 ↓
放出シナリオを作る
 ↓
上司を説得する
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放出のための引き継ぎを行う

放出ターゲット業務は、職場の業績への影響度で選びます。職場の目標や業績への影響が小さい仕事は、成果と認められにくく、評価につながらないもの。そのような仕事は、ある程度パターン化されていて、量が多いという傾向があります。まずは、自身の仕事の中から、そういった仕事をピックアップして、放出ターゲットを明確にしましょう。

インタビューを拒絶するビジネスパーソン
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

放出ターゲットを決めたら、次は最大のポイントになる放出シナリオ作りです。仕事を放出するには、上司を納得させなければなりません。納得させるためには、こちらの提案が上司にとってメリットと感じられるものである必要があります。

では、上司にとってメリットと感じることはなにか。それは次の3つです。

①チーム業績があがる
②チームとして新しいことに取り組める
③上司が抱えている仕事が減る

この3つのいずれかにつながる仕事を担当することを前面に出して提案をします。「その仕事を担当するために」という理由で、成果と認められにくい仕事を放出する。つまり、交換条件です。

この中でお勧めは、②の新しいことです。なぜなら、新しいことは取り組むこと自体に価値が認められるため、成果目標のハードルを低めに設定できるからです。①のチーム業績につながるものは、王道ですので良いのですが、それなりに高い成果目標を設定する必要があります。目標値を大幅に上回ったという評価を得るという点では②の新しいことのほうが、可能性が高いというわけです。

③の上司が抱えている仕事が減る、というのも効果的ですが、引き受ける仕事の選択が難しいという課題があります。どの仕事が上司の負担になっているのか、部下の立場では見えにくいというのが理由です。逆に、上司が嫌がっている仕事がわかっていれば、ダイレクトに上司のメリットになるため、切り札にしやすいと言えます。

このようにして、放出シナリオを作ったら、次は上司の説得です。