トークシナリオでは「新規顧客の開拓」を先に持ってくる

上司の説得に向けては、話し方がポイントになります。話す順番は、新たに担当する仕事を先にするほうが、よいでしょう。

△「この仕事の担当をはずしてほしい。そしてこういう仕事をやってみたい」
○「こういう仕事をやってみたい。ついては、この仕事の担当をはずしてほしい」

比べてみると、後者のほうが、前向きな印象を与えられます。

では、具体的に上司に話すトークの例を挙げましょう。シーンは上司と対面、またはオンラインで話し合っているイメージです。

『「ニューノーマル」最強仕事術』(講談社ビーシー)
『「ニューノーマル」最強仕事術』(講談社ビーシー)

「ご相談があります。これまで、チームとして新規顧客の開拓が課題になっていたと思います。さらにコロナ禍で新規取引先開拓の取り組みが進みにくくなっているという現状があります。そこで、私がこの重要テーマに取り組んでみたいと考えています。やる以上は、半期で5社を目標にするつもりです。そのための取り組み時間を生み出すために、現在担当している修理部品の発注業務の担当を、他のメンバーに任せたいのですがいかがでしょう」

このトークシナリオでは「新規顧客の開拓」を切り口にしましたが、これを「新業態の開発」「新企画の実現」「業務改善プランの立案と実行」といったものに置き換えても同じように活用できます。また、前出の「チーム業績があがる」、「上司が抱えている仕事が減る」ことを切り口にする手もあります。

こうして、上司が説得できたら、最終段階の引き継ぎのステップに進みます。

アフターコロナに生き残る社員として必要な考え方

これら一連のステップでは、成果と認められにくい仕事を放出するだけではなく、新たな仕事を引き受けることになります。仕事を入れ替えることになるため、負担が減ることはないでしょう。ただ、成果と認められやすい仕事は、高い評価につながりますし、自分自身のスキルアップに大きなプラスになります。

同じように汗をかくなら、より評価と、自分のスキルアップにつながる仕事のためにしたいということ。そして、このような取り組みは、アフターコロナの景気低迷下で、必要な社員として生き残っていくためにも、必要になることなのです。

本稿の内容を含め、タイムマネジメントについては『「ニューノーマル」最強仕事術』(講談社ビーシー)に詳述していますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。

【関連記事】
「それは私の仕事じゃありません」テレワーク下で起きている"昭和オジサン×平成若者"対立の実態
「部下に仕事を振るだけ」9割の"いらない管理職"は、何のために会社に来るのか
クソどうでもいい仕事をする9割の管理職と「1割の必要な管理職」の決定的違い
「何を言っているのかわからない」と言われたとき、絶対NGな対応方法
会議で重箱の隅つつく「めんどくさい人」を一発で黙らせる天才的な質問