作業×時間=新密度? ワークショップ型婚活の高成功率

竹籠づくりでは手が触れそうでドキドキ♪

男女のグループが一緒に旅をしたり同じ家に住んだりして恋人になるテレビ番組(『テラスハウス』)があります。

それと同じように、一日がかりのグループワークにも参加者間に運命共同体的な意識を生む効果があるのでしょう。それにしても、2年連続で参加者の半分がカップルとは! 成立率約50%の快挙は、いったいなぜ?

「みんなで同じ作業をしながら喜び、一人ひとりがたくさん笑ったからでしょう。“笑い”の空間はその人の『自分』を最もよく表現します。そこに真のコミュニケーションがある。笑いの分だけ、お互いに打ち解けることができ、そこから人は幸せに向かっていく。当然、恋愛も実るのだろうと思います」(司会者のWマコトさん)

「君がため 惜しからざりし 命さえ 長くもがなと 思ひけるかな」(小倉百人一首より 藤原義孝 意味:あなたに会えるなら、この命さえ惜しくはなかったのです。しかし、いざこうしてあなたに会えた今は、いつまでも長く生きてあなたと一緒にいたいと思うようになりました)

どんな恋愛も私たちを強くするものですね。

「カップルになれて、ただ純粋に嬉しいです!」(30代女性・成立)

「他のイベントに比べてコスパの高さが魅力的。健全だし、こんなに濃い内容でこの値段(男性6000円、女性4000円)はすごいと思う。食事中の席交換では本当にたくさん女性と話すことができた。満足しています」(30代男性・不成立)

「ふだんは男性との交流がない。それが今日ここで、色々な年齢の男性から恋愛や友情についての考えを聞けたことは本当に勉強になりました。恋愛、結婚を抜きにしても、とても楽しい時間でした」(20代女性・不成立)

ステキな一日でした、おしまい♪ ……と言いたいところですが、まだ続きがあります!

帰りの電車内の隅っこで、惜しくも不成立だった男女5人ほどが仲良く談笑しているのを私は目撃したのです! 笑顔はそのまま、みんな幸せそうでした。結婚も「急がば回れ」で、異性と話すのが苦手な人も、まずは多くの人と交流し、友情を育むところから少しずつそこへと近づいていくのもいいかもしれません。

百人一首コンを主催した公益財団法人小倉百人一首財団・事務局長、福西毅さんは言います。

「私たちは小倉百人一首や京都文化の普及と啓もう、そして嵯峨嵐山地域の活性化に役立てるよう努めていきたい。小倉百人一首を通じて、ひとりでも多くの人が潤い、幸せになることを願う私たちの活動の一環として今回のイベントを企画しました」

そんなマジメな狙いを参加者は知らないだろうが、京都ゆかりの小倉百人一首のオブラートに包まれた、男女の欲望渦巻く「テラスハウス」的な出会いこそ、彼らが切望していたものだったのかもしれない。

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