では、まずは立つ姿勢、体幹の安定から。たくさんの人が悩みを抱える腰痛の多くの原因は姿勢にあると清水トレーナーは見ている。
「腰痛を引き起こす原因のひとつが反り腰姿勢です。立ったときに腰を反らせてお腹を突き出す姿勢になっていませんか? 自分では気がつかないのですが、立ち姿を横から写真に撮ってもらってみてください。ベルトがバックル側を下に斜めになっていたら、それは骨盤前傾、つまり反り腰の状態です。これは正しく腹筋が働いていない姿勢なのですが、この骨盤前傾状態の人がとても多いのです」
反り腰はよい姿勢と勘違いされがちだが、脊柱起立筋が緊張しっぱなしで、腰痛を招きやすい悪い姿勢だと清水トレーナーは指摘する。
正しい骨盤の位置は前傾状態でも極端な後傾状態でもないニュートラルの状態なのだが、骨盤の位置を意識したことがない人にはわかりにくい。
「後傾させるのは恥骨を引き上げる感覚。結果的にお尻の穴がきゅっと締まる。ベルトが地面に対し平行になるのが目安です」
骨盤を後傾に固定するコルセットの役割が腹横筋。腹横筋は骨と連動していないので意識するのが難しいが、腹を凹ませれば自然と働く。呼吸は腹を凹ませたまま胸式呼吸で行う。この腹部の緊張を維持したまま、駅から会社まで歩いてみよう。
「正しい姿勢を覚えると、腰痛が起こりにくいだけでなく、重いものが持ち上げられる、速く動けるなど、パフォーマンスがアップします」