お客様のために、唯一無比の存在になる

ホルスト・シュルツ氏

シュルツさんのホテルの「自分の色」、それは「究極のお客様志向」です。

「私たちのホテルはサービスも雰囲気も、あらゆる面ですべてがお客様のためにあります。

私たちはお客様の望みに限界を設けません。たとえばカペラにはチェックインタイム、チェックアウトタイムがありません。お客様はいつでも好きな時にホテルにチェックイン・チェックアウトできます。明け方に夕食をとるのも、夜に朝食をとるのも自由、どこで食事をするかも自由です。法律やモラルに反しない限り、お客様一人ひとりのご要望は、私たちのホテルではすべてかなえられるのです」

自分たちの色を大切にし、それを全面に出して、ビジネスで頂点を極めるためには、切り捨てなければならないものも出てきます。

シュルツさんは、一度にサービスできるお客様の「数」を切り捨てました。

「これまでの経験からいって、客室数600室のホテルでは、お客様一人ひとりのご要望を完璧に叶えることは実行不可能でした。だから、カペラでは、客室数を100室程度に制限し、一度に対応するお客様の数を限定しています」

お客様のために、自分たちがどの分野でなら比類なき存在になれるかを考えるということは、自分が元来持っているのは何色なのかを確認する行為にほかならないのです。