誰でも、自分の成功体験を否定されたくはない。でも、変化が速く、座標軸がどんどん動く時代でも、トップはその中央に居続けなければいけないから、そんなことは言っていられない。知らない、できない、わからないの「3つのない」は口にしてはいけないから、一応はわかったふりはするし、わかっていても「これはどうなのか」と確認する。そして、会社に居つく古い価値観を変える仕掛けを打つ。
40代の終わりに経営の中枢部門へ移ったとき、「スーパードライ」が国内の頂点に立った。グローバル化に備えた経営体制を築くべく経営戦略部を立ち上げた年には、ビールの年間シェアで45年ぶりに首位となる。入社30年目で念願の営業の前線に立った年には、発泡酒なども含めた「ビール類」でも年間シェアでトップとなった。
会社人生の大きな節目に、うれしいことが重なるという、幸運の星の下にきた。この3月、社長兼CEOとなり、すべての権限と責任を持つ身となった。これまた、大きな節目だ。きっと、今年も、素晴らしいことが起きそうな気がする。